kappa𝕏
🔑成人済🔑
- 場所
- ハロンタウン
- URL
- https://twpro.jp/4th96593469
- 登録日
- 2019年5月13日 (月) 04:09:572023年3月23日 (木) 07:36:20 更新
木陰に寝そべって嫌味なくらいに青い空を睨んでいると、どこからか「メェ」と鳴く声が聞こえてくる。白い綿毛が近づいてきたかと思うと、鼻をすんすんとさせてつぶらな瞳をこちらに向ける。
「悪いけど何も持ってねえんです」ふわりと、柔らかな羊毛に触れると首を傾げて「メッ」と短く鳴いたあと、興味を失ったのかまた仲間のいる方に戻って行った。
放牧場にはたくさんのウールーがあちらこちらに群をなして草を元気に食んだり、ころころと転がったりしている。ワンパチが柵の外に出ようとしているウールーを追いたてて「ぬわん!」と鳴くとそれが牧場全体に轟く。
ああ、長閑だ。
ハロンタウンに来てからというもの、何度も反芻している。地元とは何もかも違う。怪しげに光るネオンも無ければ、錆だらけのシャッターもない。そもそも、時間の流れが違うと思う。雲の流れも、人の動きもポケモンも、全てがスローモーションに感じてしまう。ここと同じような牧場が並ぶハーフタウンという街も大抵のんびりしているが、あそことはまた違う。ここは百年も昔から今と同じ風景が続いてるような、悠久の時が流れている気がした。きっと百年後も変わらずここではウールーたちが転がり続けているのだろう。
見上げた空に浮かぶ白い雲もウールーに見えてきて、このまま昼寝でも決め込もうか、そう思っていると、遠くから駆け足でこちらに向かって来る影に気づく。ホップだ。柵を軽々と乗り越えてきた少年が、なにか嬉しいニュースでもあったというのか、眩いばかりの笑顔を湛えてやってきた。
「ネズさんお昼寝か?」
「さっきまで慣れない肉体労働をさせられてやっと解放されたんですよ」
おかげで上も下も泥塗れだと見せつけるように腕を広げる。あはは、と笑われたのが面白くなかったので柔らかな頬をつねった。
「そうだ、おれ、いいもの持ってきたんだ」そう言って肩に下げていた年季の入った籠の鞄を開けると、中から水筒とサンドイッチが出てきた。きのみや野菜がぎゅうぎゅうとはさまれた厚みのあるサンドイッチは、忘れていた食欲を思い出させるのに充分だった。
「ネズさんはもっと食べた方がいいよ」と主張するホップに確かに、と頷くホップの母親と祖母さんはいつもネズに多めに食事を出してくれる。遠慮しつつも勿論ありがたく頂戴しているのだが、日に日に増していく皿の数には正直不安さえ覚える。ここを出ていく日にはどんな事になっているのだろうか。未来の自分の胃袋に祈りのエールを送る。
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