日本国民のみなさまへ

　編集担当の白井隆です。

　なぜ「公開書簡」を始めたのか・・・最初にその理由をお話しておきます。

　もちろん、「日米安保条約をやめる」を実現することが目的です。

　同時に、それは、「日本とは何か」を問うことにもつながると思います。

　私は、安保条約を制定して、戦後日本の歴史を担ってきた人々を、批判するつもりはありません。

　日米安保条約の片方を担ってきた、アメリカ合衆国を非難するつもりもありません。

　私の父は、夕食の席で戦争の話をよくしてくれましたが、「四十年戦争」と呼んでいました。戦前は、四十年も戦争状態だったのです。疲れ果てたと思います。だから戦後日本は、アメリカの極東戦略に乗って楽をしたのだと思います。乱暴な言い方かもしれませんが、そんな感じがします。運よく冷戦がありましたから、西側陣営に位置して、なんでもアメリカの言う通りにして、楽をした。

　でも、１９９１年に冷戦構造も終わって、アメリカの立場も変わりました。一極覇権主義を唱えるアメリカのワシントンDCには、グローバリズムの急先鋒であるネオコンの台頭があって、人を人と思わない政策に日本は振り回されています。ワシントンDCにも言い分はあるでしょう。しかし、日本はこれ以上、楽をしていてはいけないのです。

　冷戦が終わり、ロシアは九十年代の苦境を乗り越えて、プーチン大統領による新しい時代を生きています。しかし、ワシントンDCのネオコンとグローバリストは、ロシアを敵対視しています。将来、アメリカを脅かすような強大な国は、あってはならないと考えるからです。解体して分割統治したいので、世界戦争に引きずり込もうとしています。

　この局面を見て見ぬふりをしていれば、日本は必ずネオコンに利用されて、この戦争に巻き込まれます。核兵器使用が準備されているのですから、日本は滅びます。それは、何もかも明らかだと、私は思うのです。

　みなさん、「潮時」です。

　日米安保条約をやめて、ネオコンのワシントンDCと手を切りましょう。

　危ないのはロシアでも、中国でも、北朝鮮でもありません。ネオコンが支配するワシントンDCが危険なのです。

　安倍晋三元首相は、日本を取り戻す、そして、戦後レジームからの脱却を唱えましたが、殺されてしまいました。永田町も、霞が関も、自由がききません。

　今の日本は、アメリカ政府から一方的に収奪されていると考える人もいるでしょう。

　しかし、国務省で高級官僚を勤め上げた古いアメリカの友人は、日本政府が自分の頭で考えない、リスクをとって行動しないことに、不満を漏らしました。軽蔑していると言っても過言ではありません。

　アメリカに問題を押し付けるのは、間違っています。他人を裁くことは誰にもできません。

　日本自身が、問題なのです。

　トランプ大統領は、「自立しろよ」と促しました。

　ロバート・ケネディJRは、大統領に選出されたら、世界中に駐留している米軍兵士を全員、アメリカ本土に呼び戻すと語りました。

　ことほど左様に、何もかもが「潮時」なのです。

　そして、日本国民はすでに、この「潮時」を薄々感じています。

　何かをきっかけにして、その気持ちが表に出るだろうと思うのです。

　そして、その気持ち、この声が、国を動かす力になると考えます。

　そこで私は、国民の気持ち、国民の声を明らかにするメディアを作ろうと考えました。

　国民から国民に向けて公開する書簡、「公開書簡」という仕組みです。

　国民が政治に意思表示する方法は、選挙とデモだと言われます。

　デモは、安保闘争で分かったように、デモ隊と警官が衝突するだけで、国会を動かせません。

　それで、署名行動を考えました。

　紙に署名を集めても、国を動かすほどの数を集めることはまず不可能です。

　しかし、インターネット署名なら、技術的には１千万署名だって、２千万署名だって集められるでしょう。

　その過程で、この国民の動きが力を持つことになる・・・そう考えました。

　国民の気持ちを明らかにして共有し、選挙に反映し、国を動かすためにこそ、公開書簡は機能します。

　だから、インターネット署名を集めます。

　みなさまのご理解を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

　公開書簡責任編集　白井　隆